コロナ罹患した従業員の給与はどうしたらいいの?

- 傷病手当金と有給、どっちがお得?
- 有給休暇を使用することはできる?
- 公的な給付の受給
コロナ罹患した場合の公的給付
新型コロナウイルス感染症は、2022年12月現在政府によって「指定感染症」として扱われています。
従業員が罹患した場合は、感染症法に基づく就業制限によって、就業が禁じられます。
会社を休んでいる間の給与は、公的給付を利用して補填することができます。
労災保険(従業員であれば適用)
| 使用できる場合 | 業務上で感染した可能性が高い場合 |
| 受給日 | 実際の受給までに数か月かかる可能性がある |
| 必要事項 | ・業務上で感染したこと ・過去3ヵ月分の賃金証明 ・労災保険給付関係請求書 ・その他新型コロナウイルスに関する労働基準監督署が求める書類 (※詳細は管轄の労働基準監督署にお問い合わせください) |
| 注意点 | ・給与の満額分は補填されない ・休業初日から3日目までは支給されない ・上記の支給されない期間は、会社が平均賃金の6割を補償 |
傷病手当金
| 使用できる場合 | プライベートで感染した可能性が高い場合 |
| 受給日 | 実際の受給までに数か月かかる可能性がある |
| 必要事項 | ・傷病手当金支給申請書 ・療養状況申立書 (待期期間含む請求期間が14日以上になる場合) |
| 注意点 | 給与の満額分は補填されない |
傷病手当金と有給、どっちがお得?
前述の公的保険制度は、どちらも支払われるべき給与の満額は支給されません。
新型コロナ感染症の療養解除機関が短くなったこともあり、従業員が有給休暇を取得希望するケースも増えています。
傷病手当金
健康保険に加入している従業員は、新型コロナウイルス感染症に罹患し会社を休んでいる場合に、傷病手当金を申請できます。
傷病手当金は「標準報酬月額12カ月平均の3分の2」(※12カ月未満の方は別計算)が支給されます。
傷病手当金は、会社を休んだ日が連続して3日間(待期期間)あったうえで、4日目以降、休んだ日に対して支給されます。
そのため、待機期間の3日間は傷病手当金の受給はできません。
また、傷病手当金は下記の支給要件を満たしている方が対象となります
①新型コロナウイルス感染症「陽性」の方
②新型コロナウイルス感染症「陰性」または検査未実施だが、発熱等の症状がある方
家族が罹患した場合など、濃厚接触者として会社を休んでいる場合には受給できません。
有給休暇
従業員本人が有給休暇の取得を希望すれば、有給休暇を取得することも可能です。
年次有給休暇は、原則として従業員の請求する時季に与えなければならないものなので、会社側が無理やり取得させることはできません。
なお、会社側は、年次有給休暇を取得したことを理由として、従業員へ賃金減額や不利益な取扱いをしてはいけません。
有給休暇を取得するメリット
- ・通常と同じ額の給与を受け取れる
- ・濃厚接触者となって休んだ場合も給与が発生する
- ・月給制の場合、原則(※)欠勤控除等の計算が不要な為、給与計算が複雑にならない
(※平均賃金・標準報酬月額方式を採用している場合を除く)
有給休暇を取得するデメリット
- ・有給休暇の残日数が減る
- ・事業主から取得を命じることは不可
- ・取得する場合、傷病手当金を2重で受け取ることはできない
公的給付として労災保険・健康保険がありますが、どちらの給付も有給を使用した場合は原則支給されません。
陽性者の療養解除基準及び自主待機期間(2022年12月現在)
2022年9月より、コロナ罹患者の療養期間が原則10日から7日に短縮されました。
従前より有給休暇を消化する日数が少なく済むため、従業員の方にとってもより利用しやすくなっています。
もし従業員本人が知らない場合は、選択肢の1つとしてご提案されてみてはいかがでしょうか。
■現在の療養解除基準及び自主待機期間(2022年12月)
入院中や高齢者施設入所中の者は除き、
●発症日から7日間経過し、かつ、症状軽快後24時間経過した場合、療養解除となります。
●療養期間の最終日(7日目)に、熱が37.5℃以上ある場合や症状が悪化している場合は、保健所まで電話でご相談ください。
●無症状の場合、5日目に検査キットによる検査で陰性を確認した場合は6日目に解除となります。
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記事監修:井上啓文
特定社会保険労務士
関西大学経済学部卒業。会計ファームで税務・経営の指導を経験。
現在はIPO・M&A支援や人事労務に関するコンサルティングを担当。
豊富な知識と現場経験を活かした的確なアドバイスを得意とする。
経営者・従業員・役所の立場を勘案した柔軟かつ手厚い対応が高い評価を得ている。
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