【2024年版】5類になった後の新型コロナ感染症、どう対応すべき?

この記事でわかること
  • 2023年以前と現在、対応の違いは?
  • 新型コロナウイルスの感染は労災保険給付の対象?
  • 企業が注意すべき新型コロナウイルス感染の対応
  • 従業員のコロナ罹患
  • コロナで導入していた働き方を廃止する際の留意点

2023年以前と現在、対応の違いは?

新型コロナウイルス感染症は、当初は結核やSARSなどと同様の「2類」に分類されていましたが、令和5年5月8日から季節性インフルエンザなどと同様の「5類」に分類されました。

新型コロナウイルス感染症が5類に分類されたことにより、2類の時と変わったことは以下になります。

(1)発生動向

法律に基づいた届出による新型コロナウイルス感染症の患者数や死亡者数を毎日把握して公表していたものを、医療機関からの報告に基づき週間の患者数の公表へ変更されました。

(2)医療体制

新型コロナウイルス感染症は限られた医療機関だけで受診することが可能でしたが、幅広い医療機関で受診することが可能になりました。

(3)医療費

2類の時の入院や外来医療費は自己負担分を公費で支援されていましたが、5類では季節性インフルエンザなどと同様に健康保険が適用され1割から3割の自己負担が基本です。

(4)感染対策

新型コロナウイルス感染症の5類移行後は、基本的感染対策として政府が一律の対応を求めてはいません。あくまでも、感染対策は、個人や事業者の判断が基本です。
マスクの着用、手指衛生、換気、三密の回避や距離の確保についても、自主的な判断になります。

(5)ワクチン

新型コロナウイルス感染症のワクチンについては、5類移行後も令和5年度は自己負担なく全額公費で接種できましたが、令和6年度からの任意接種は原則自費接種です。

 

新型コロナウイルスの感染は労災保険給付の対象?

業務に起因して感染したものであると認められる場合には、労災保険給付の対象となります。
また、業務起因の感染によって症状が持続し、療養や休業が必要と認められる場合にも、労災保険給付の対象となります。
新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類感染症に変更された後においても、この取扱いに変更はありません。


 

企業が注意すべき新型コロナウイルス感染の対応

令和5年5月8日以降の5類移行後は、法律に基づく外出自粛は求められなくなりましたので、外出の判断は個人に委ねられています。

企業などの働き方もだんだんと従来に戻すような動きになっており、罹患した従業員・コロナ罹患の防止の対応へ注意が必要となりました。
 

 

従業員からコロナ罹患の連絡があった場合の対応

5類移行後も、新型コロナウイルスに罹患した場合一定期間は外出を控えることを推奨しています。

感染した従業員が自主的にお休みをする場合は、通常の病欠と同様に取り扱います。
病気休暇制度(事業場で任意に設ける休暇)・有給休暇を活用することなどが考えられるでしょう。

一方、例えば感染したことや発熱などの症状があることで一律に従業員に休むように、
会社から指示を出す場合は、一般的に「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはまり、休業手当を支払う必要があります。
 

感染した方が職場復帰する場合への対応

いつ頃から復帰すればいいの?
新型コロナウイルス感染症は、現在では発症日(無症状の場合は検査日)を0日目として5日間、かつ、症状軽快から24時間経過するまでは外出を控えることが推奨されています。

そのため、感染した方が職場復帰する場合は、
その期間は出社をしないように配慮することが望ましいです。

また、新型コロナウイルス感染症からの回復期間や、心身の負担などには個人差がありますので、職場復帰には症状の回復状況に応じて段階的に対応していきましょう。
 

・職場復帰するときは、どのような点に留意すればいいの?
職場復帰により症状を悪化させることがないように、
復帰後一定期間は、勤務時間の短縮やテレワークの活用など従業員の体調を鑑みることが大切です。
 

新型コロナウイルスワクチンの接種

令和6年度以降の新型コロナワクチンの接種については、個人の重症化予防により重症者を減らすことを目的としています。

60歳から64歳までの基礎疾患を有しない方に関しては、任意接種としてワクチンの接種を受けることができます。全額公費による接種は令和6年3月末で終了し、令和6年4月以降の接種は原則有料となります。

ワクチンの接種を拒否したことのみを理由とした解雇、雇止めを行うことは、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないため、できません。

なお、感染防止のために、ワクチン接種を行っていない方の配置転換は、
業務上の必要性、労働者への不利益の程度に加え、配置転換以外の感染防止対策で代替措置ができるかなど慎重な検討が必要です。

無理な配置転換を強要した場合、パワーハラスメントに該当する可能性があるため、注意しましょう。

 

コロナで導入していた働き方を廃止する際の留意点

新型コロナウイルス感染症が5類になったことをきっかけとして、テレワークなどのコロナ禍で導入していた働き方を廃止する動きが多くなってきています。

ただし、テレワークなどをスムーズに廃止する場合には、以下のいくつかの点について考慮しなければなりません。

テレワークを就業規則に規定していたケース

コロナ禍でテレワークを導入した場合に就業規則に規定していたケースでは、
原則従業員との合意なく就業規則の変更により、労働条件を従業員の不利益になるよう変更できません。

ただし、その変更が合理的であり、変更後の就業規則を従業員に周知させれば合意がなくても認められるケースがあります。

テレワークなどの廃止のため就業規則を変更する場合には、従業員との合意を得ておくことが確実でしょう。

ハイブリッドワークへの転換

テレワークを完全に廃止することは、オフィスコストの増加など、企業にも少なからずのデメリットがあります。

このデメリットの解消のために、ハイブリッドワークへの転換という方法があります。

ハイブリッドワークとは、オフィスでの出社勤務とテレワークを組み合わせた方法で、出社とテレワークの両方のメリットが享受できる方法です。
 

まとめ

このように、令和5年5月8日から新型コロナウイルス感染症が2類から5類に分類されたことにより、企業などの働き方もだんだんと従来に戻すような動きになっています。

しかし、従業員の気持ちやモチベーションなどを考慮すれば、簡単には従来に戻すこともできません。

5類への移行後のテレワークの廃止や働き方について悩んでいる場合は、是非一度、プロである社会保険労務士にお気軽にお問い合わせください。

参考:厚生労働省_新型コロナウイルス感染症について

参考:厚生労働省_新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)

重要度 : ★★★

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記事監修:井上 啓文

特定社会保険労務士
関西大学経済学部卒業。会計ファームで税務・経営の指導を経験。
現在はIPO・M&A支援や人事労務に関するコンサルティングを担当。
豊富な知識と現場経験を活かした的確なアドバイスを得意とする。
経営者・従業員・役所の立場を勘案した柔軟かつ手厚い対応が高い評価を得ている。

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