フリーランス新法で何が変わる?下請法との違いや企業が気をつけるべき注意点

この記事でわかること
  • フリーランス新法とは?
  • 下請け法との違い
  • 発注事業者側(企業)が気を付けるべき注意点

 

フリーランス新法とは?

フリーランス新法は通称であり、「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」が正式名称となります。

フリーランスは、取引相手となる企業に対して弱い立場にあり、不当な廉価による業務委託などを強いられることも珍しくありませんでした。
そのような状況を鑑み、同法によってフリーランスと企業間の取引適正化を図っています。

 

下請法との違い

取引適正化のために法律としては、フリーランス新法のほかにも下請法が存在します。
しかし、下請法は資本金要件等が存在し、幅広くフリーランスを保護する法律ではありません。

一方のフリーランス新法は、資本金要件が設けられておらず、下請法より広範な保護が可能となっています。

 

フリーランス新法の対象となる取引

フリーランス新法の対象となる取引はBtoB(事業者間取引)に限定されます。
そのため、消費者が個人カメラマンに家族写真の撮影を委託するような場合は対象外です。

同法は、企業が宣伝用写真の撮影を個人カメラマンに委託するような場合を想定しています。

 
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「特定受託事業者」と「特定業務委託事業者」の定義

フリーランス新法は、「特定受託事業者」と「特定業務委託事業者」との間のおける取引を律する法律です。特定受託事業者と特定業務委託事業者の定義について解説します。

特定受託事業者

特定受託事業者は、業務委託を受けるフリーランス側を指す言葉です。
特定受託事業者は、従業員を使用しないフリーランスを対象としています。

なお、従業員を使用しない法人の代表者(一人社長)も含むことに注意が必要です。

特定業務委託事業者

特定業務委託事業者は、業務委託を行う発注事業者を指す言葉です。

ただ業務委託を発注する事業者では足りず、従業員を使用するものであることが必要です。
また、この場合における従業員には、短時間や短期間等の一時的雇用は含みません。

 

 

発注事業者側(企業)が気を付けるべき注意点

書面等による取引条件の明示

フリーランス新法第3条1項では、特定業務委託事業者に書面等による取引条件の明示を求めています。明示すべき事項は、以下の通りです。

  1. ①業務委託事業者及び特定受託事業者の商号、氏名若しくは名称又は事業者別に付された番号、記号その他の符号であって業務委託事業者及び特定受託事業者を識別できるもの
  2. ②業務委託をした日
  3. ③特定受託事業者の給付(提供される役務)の内容
  4. ④特定受託事業者の給付を受領し、又は役務の提供を受ける期日等
  5. ⑤特定受託事業者の給付を受領し、又は役務の提供を受ける場所
  6. ⑥特定受託事業者の給付の内容について検査をする場合は、その検査を完了する期日
  7. ⑦報酬の額
  8. ⑧支払期日
  9. ⑨現金以外の方法で報酬を支払う場合の明示事項

上記事項は、「直ちに」明示しなければなりませんが、その内容が定められないことについて正当な理由がある場合は例外です。そのような場合には、内容決定後に明示することも認められています。

明示はSNSのメッセージやメール等による電磁的方法も選択可能です。
ただし、この場合であっても、特定受託事業者から求めがあれば、書面の交付が必要となります。

 

期日における報酬支払義務

フリーランス新法第4条では、期日における報酬支払義務を特定業務委託事業者に課しています。

特定業務委託事業者は、発注した物品等を受領した日から起算して60日以内におけるできる限り短い期間内で報酬の支払期日を定め、それまでに支払わなければなりません。
なお、再委託に係る報酬の支払期日では、一定の条件のもとで、元委託支払期日から起算して30日以内のできる限り短い期間内で定めることも可能です。

 

 

募集情報の的確表示義務

フリーランス新法第12条では、広告等で特定受託事業者を募集する際の義務が定められています。
募集条件について虚偽表示や誤解を生じさせる表示を行うことを禁止し、正確で最新の内容に保つことがその内容です。

以下のような場合には法違反となるため、注意しましょう。

  • 意図的に実際の報酬額よりも高い額を表示する
  • 実際に募集を行う企業と別の企業の名称で募集する
  • 報酬額の表示が、実際の報酬額等よりも高額であるかのように表示する
  • 既に募集を終了したにもかかわらず、削除せず表示し続ける

 

ハラスメント対策に係る体制整備

フリーランス新法第14条では、特定業務委託事業者に対して、ハラスメント対策に係る体制整備が義務付けられています。
特定業務委託事業者は、特定受託事業者の就業環境が害されないように以下のような体制整備を行うことが必要です。

  • ハラスメントを行ってはならない旨の方針の明確化、方針の周知・啓発
  • 相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
  • 業務委託におけるハラスメントへの事後の迅速かつ適切な対応

また、特定受託事業者がハラスメントに関する相談等を行ったことを理由とする不利益な取り扱いも禁止されています。

 

 

他にも禁止されている行為があり、注意が必要

これまで解説してきた義務の他にも、業務委託期間が1か月以上である場合には、正当な理由のない受領拒否や代金減額等が禁止されます。正当な理由や責めに帰すべき事由がない場合には、以下のような行為が禁止されます。

  • 受領拒否
  • 報酬の減額
  • 返品
  • 買いたたき
  • 購入・利用強制
  • 不当な経済上の利益の提供要請
  • 不当な給付内容の変更及び不当なやり直し

業務委託期間が6か月以上の場合には、上記行為の禁止だけでなく、育児介護等と業務の両立に対する配慮義務も課されることになります。また、契約解除や更新しない場合における30日前の予告義務も課されることになり、解除や不更新の理由を求められた場合には、開示も必要です。

 

 

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